分配型ファンドは注意が必要。分配型で本当にいいのか?

分配型ファンドは注意が必要。分配型で本当にいいのか? 投資
分配型ファンドは注意が必要。分配型で本当にいいのか?

かつては、毎月分配型ファンドという商品群が人気を集めていました。 もちろん現在でも人気があるものもあるでしょう。しかし、注意が必要だと私は思います。

分配型ファンドの特徴を知る

商品の最大の特徴は、毎月分配金が支払われて、お小遣い感覚でお金が入ってくるところです。 高利回りの商品が多いのも人気の理由の一つです。

とても魅力的な商品のようですが、本当にそうでしょうか。 そんな甘いだけの話があるのでしょうか。 いいえ、ありません。 ちょっと次のようなやり取りを見てみましょう。

年金受給者のAさんは「毎月の年金だけではなく、退職金を運用してお小遣いを増やしたい」と売り手の人に相談に行きました。 相談を受けた担当者は「運用成績にかかわらず、毎月分配金の出るファンドが人気です」と簡潔に説明しました。
Aさんは「運用成績にかかわらず、分配金が毎月もらえるのなら、もし基準価額が下がっても、長い目で見ればお得だな」と思いました。

果たして、そんなうまい話があるでしょうか。
担当者の説明は初心者にわかりやすい説明でウソはありませんが、分かりやすいがゆえに、足らない部分があります。 簡潔な説明で省かれた部分を、見ていきましょう。

まずは『運用成績にかかわらず、毎月分配金の出る』という文言です。
確かに分配金は毎月出ます。しかし、毎月分配型を含む『分配型』のファンドの『分配金』には二種類あります。
『普通』と『特別』です。

  • 普通分配金『普通』分配金は、あなたが買った時よりも基準価額が上昇していればあなたの利益として税金を差し引いて分配金が支払われます。
  • 特別分配金では『特別』分配金とは?特別というくらいですから、良いことがありそうですが、実際は逆であり誤解されやすい言葉です。

こちらはあなたが買った時よりも、基準価額が下がってしまった場合にあなたの手持ちの金融資産を取り崩して支払われるものです。 もともとあなたのお金ですので、税金も掛かりません、つまり非課税です。儲かっていないのですから当然ですね。
「特別でもお金が帰ってくるのなら、損していないから良いじゃないか」と思われるかもしれませんが、本当に損していないでしょうか。

仮に百万円買って、購入手数料3%で信託報酬1%(コストについては後述)ならどうでしょうか。 初年度ですでにコストとして4%、つまり4万円損しています。
4万円払ってから自分のお金を受け取っているのです。 自分のお金を返してもらうのに何万円もかかってしまうなんて無駄でしかありません。

その後も、基準価額が買った時を上回らない限り、信託報酬を引かれ続けながら、自分のお金を受け取ることになります。 複利の効果も得にくくなってしまいます。複利効果とは、普通分配金で増えたお金を再投資して、元本を雪だるま式に大きくしていくものです。 特別分配金では、元本を取り崩してしまうので、複利効果が得にくくなってしまいます。 資産形成の本質は、効率よくお金を大きくすることではないでしょうか。

『特別分配金』は言い換えれば、『目減りして戻ってくる自分のお金』です。 全く得はしていませんので、誤解しないようにしてください。

さらにコストの高いファンドが多いのも、毎月分配型の特徴です。 正確なデータはなく、あくまでも個人的な意見ではありますが、プロ(専門家)であれば、毎月分配型投資信託は買わないと思います。 そして、先程の担当者の最後の文言『人気です』はどうでしょうか。

確かにファンドランキング上位は毎月分配型ファンドばかりが上位に来ることがあります。 ただ、中には分配金の利回りを高く設定しすぎているファンドもあるようです。 タコがおなかを空かして自分の足を食べるように、『特別』分配金でしのいでいるところもあるのが実態です。

一例として、2016年は過半の毎月分配型ファンドが取り崩しました。 そういうファンドは悪い言い方をすれば、目立つ高配当で客をおびき寄せて、手数料と信託報酬で自分たちだけ儲けているとも言えます。 もちろん責任は、そのファンドを選んだ投資家自身にあります。

個人投資家の中には、毎月分配型ファンドの中身を理解しておらず、『普通』と『特別』の違いやコストを知らずに投資をしている人もいるようです。 冗談みたいですが、どのくらいいるのでしょうか?日本経済新聞の報道では、37%の投資家が『普通』と『特別』の違いを知らない、というウソのような結果が出ています(2017年1月28日日本経済新聞)。 くれぐれも、おいしい話を鵜呑みにしないでください。

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